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切符収集記&登山行記

切符収集記&登山行記

土佐へ

土佐へ

旅行期間:平成14年8月
訪問標的:土佐くろしお鉄道、国鉄型キハ、土讃線鈍行
経  路:大阪南港→高知港・・・高知→宿毛→琴平(泊) →岡山→大阪→伊賀上野

【プロローグ】

以前より土佐くろしお鉄道は硬券の宝庫と聞いていたので、いつかは訪問したいと思っておりました。プランを立てる上でポイントになったのは、

①JR四国のバースデーきっぷで安くあげる
②行きは夜行フェリーでいくにしても、どこかで泊まる必要がありどこで泊まるか
③土讃線の鈍行、それもキハ1000ではなく国鉄型気動車の列車に乗りたい

このうち一番ネックになったのは土讃線の鈍行で、高知から阿波池田まで抜けていく列車がただでさえ本数が少ないのに、その上国鉄型キハとなると朝か夕方近くしかなく宿泊地との兼ね合いでプランが非常に難しい・・・。でも、スイッチバックを国鉄型気動車で行ったり来たりしたい・・・。
まず宿泊地は、善通寺に決めました。天然温泉の宿で素泊まり5000円のところをJTBのサイトで見つけたのでこれに決定。行きは大阪南港から夜行フェリーで高知上陸のつもりでしたので、高知上陸後、土佐くろしお鉄道を訪問してから善通寺へ向かいその途中で鈍行に乗り、善通寺泊。翌日は、岡山経由で18きっぷを使って帰宅と、これで大筋が決定しました。私のプラン作りは、あーでもない、こーでもないと直前まで迷うので、自分でも困ってしまいます。
7月上旬から切符の手配を開始。フェリーの券は船会社のサイトで、バースデーきっぷもJR四国のサイトでそれぞれ予約。バースデーきっぷは代金が銀行振込でいける上に送料は向こう持ちで書留郵送までしてくれるので、なかなか便利です(運転免許等、誕生日を証明する書類のコピーの郵送は必要)。ありがとうJR四国!

【1日目】

今日は土曜日。出発の日ですが通訳学校の授業があるので、自宅→名古屋(通訳学校)→大阪南港(夜行フェリー)というコースをとらねばならず、ふだんは車やバスで名古屋まで行くのですが、旅費をうかすため18きっぷで最寄の伊賀上野駅からJRで名古屋へ向かいます。関西線の非電化区間は地元であるにもかかわらず、めったに乗りません。大阪や名古屋へ行く場合は、伊賀神戸や加茂や弥富の駅前駐車場まで車で行ってしまいます。
有名な加太越えではいったん引き上げ線に入った後、バックで待避線へ入っていきます。「後戻りしてるよ、おい」と毎度のことながら驚く乗客を横目に反対列車の通過を待って発車。山間を抜けると亀山です。ここで名古屋ゆきに乗り換え。亀山から名古屋の区間は、2両編成なので(昼間)名古屋が近くなると非常に混みあいますが、亀山からだとラクラク着席です。新幹線や近鉄が見えてくると名古屋に到着です。
通訳学校でいつものように表現することの難しさに打ちのめされ、疲れをおぼえながらも大阪へ向かいます。学校から早く出られたので、予定したよりも1本早い電車で名古屋を発ち、米原へ向かいます。米原ゆきの電車は非常に混雑していて米原まで立ちんぼを覚悟しましたが、岐阜でサラリーマンが降り無事着席。米原からは新快速に乗り換え。長浜始発の便だったので座れるか心配でしたが、ガラガラでホームへ進入。座れなかったらその便を野洲で捨てて野洲始発列車に乗り換えるつもりだったのですが、その必要もなく大阪へはだいぶ早く着きました。
ヨドバシカメラ梅田店をのぞいた後、地下鉄で住之江公園を経由してフェリーターミナルへ。四つ橋線は御堂筋線より空いているので大好きです。フェリーに乗るらしき家族連れの姿が目立ってきて、フェリーターミナル駅に到着。ここで食料を仕入れようとあたりをうろつきますが、コンビニが無い・・・。乗船手続きもしなくてはいけないので船内に何かあることを祈りつつ、乗船手続きをしに大阪高知特急フェリー窓口で並びます。夏休みなので混んでおり、若者が多く自分がおっさんになったことを痛感します。
乗船後すぐに風呂へ向かいます。私は安い料金で横になることができ、しかも風呂までついているという点で船は鉄道よりかなり優れていると認めています。風呂には他の人は誰もおらずゆっくりと入らせてもらいました。入浴後はデッキへ。大阪の夜景が見えます。きれいなのですが、一人旅で夜景を見ていると周りに団体客が多いこともあって、さびしい気分になってきたので早々に退散。本日の寝床である二等寝台にもぐりこみます。あ、そうそう。食料ですが、船内の売店にはお菓子類と土産しかなく、ポテチが今日の晩飯となります。

【2日目】

「高知港へ着岸します」のアナウンスで目がさめます。外を見ると、もう港内に入っており、あわてて身支度をします。私はコンタクトをしているので、こういうときに非常に面倒くさいです。下船口へ向かうとすでに他の人が群がっていて、今や遅しと上陸を待ちわびていました。
初めての高知県、ということで上陸時は感慨もひとしおだったのですが、港のまわりに特に何があるというわけでもなく、また独り旅ですので迎えが来ているわけでもなく、港をあとにしてJRの高知駅へ向かいます。事前に地図を見た際に、路面電車が近くを走っているようだったので、それに乗るべく見当をつけて停留所があると思われる方角へ歩いていきます。
しばらく歩き、「本当に正しい方角へ進んでいるのか?」と不安になってきたときに、前方に架線らしきものが見えてきました。線路も見えてきて「電車はどこだろう」と思ってふと見ると、交差点の脇で路面電車が出発待ちをしていました。高知駅前まで路面電車の旅を楽しんだ後、高知駅構内の喫茶店で朝食をとり、「あしずり1号」に乗るべくホームへ。高知駅構内はのんびりした感じで、なかなか好ましいです。
8時19分に高知駅を出発し、一路宿毛駅を目指します。今回の旅行はバースデイきっぷを使用しているので、特急はすべてグリーン車利用です。下りに関しては、グリーン車が先頭に来るので、前面展望を楽しみつつ旅が進みます。しかもこの「あしずり1号」に関しては1番C席だったので前を遮るものがなにもありません。途中いくつかの川を越えていきますが、水がとてもきれいそうです。1時間ほどで窪川に到着。ここから待望の土佐くろしお鉄道に入ります。まずはループ線を下って海岸に向かうのですが、どうも注意が足りなかったのかこれから通る線路が眼下に見えるという期待のシチュエーションにはならず、どこだどこだと思っているうちに列車はだいぶ下ってしまっていました。海岸線に出ると左に太平洋を眺めながら進みますが、私にはスピードが速すぎです。あとで同区間で鈍行にも乗るので、そのときにじっくり楽しみましょう。10時01分、中村に到着。ここで、中村駅近くのサンリバー四万十で日帰り入浴をしたかったのですが、それをしてしまうと土讃線を特急で突っ走らなければならなくなり、鈍行には乗れないのでそのまま宿毛へ向かいます。中村からは立派な高架橋を走り、「近代路線だなぁ」と思う間もなく、宿毛に到着。早速、駅窓口で硬券をあさります。券箱にはたくさん券が刺さっており、近代的な駅舎と不釣合いな感すらあります。高知までの小児用Sきっぷと小児用入場券(大人用は売り切れ)、東宿毛までの乗車券そして中村までの自由席特急券を購入し、宿毛駅での買い物は終了。きれいな待合室でしばらく待ったのち、折り返しの「南風14号」で中村へ引き返します。
中村ではJR連絡の乗車券も買いたかったのですが、「JR連絡の乗車券をください」「そんな券はないです」「じゃ、窪川のとなりまでの乗車券をください」「若井までですか?」という駅員とのやりとりに嫌気がさし、入場券と最安乗車券(古津賀までの乗車券のみの購入にとどめ、中村を11時56分発の普通・窪川ゆきであとにします。私は土佐くろしおの普通用気動車を雑誌で見ていらい、そのステンレスボディに魅せられ一度乗ってみたいと思っていたのですが、その念願も達成されました。うれしい。
窪川まで乗りとおし、再び土佐佐賀まで「あしずり3号」で戻ります。土佐佐賀の駅員さんには私の趣味が不可解らしく「JR連絡の乗車券を」というと、「デザインいっしょだよ」と言われますが、まあまあということで、入場券と佐川までの自由席特急券、土佐久礼までの乗車券、佐賀公園までの乗車券を購入します。時間があれば海沿いまで歩いていきたいのですが、13時36分の「南風18号」で土佐くろしお鉄道をあとにします。沿線風景がのどかで心洗われるかんじで一生懸命車窓に食いついていたのですが、夜行フェリー明けのため睡魔に襲われ、目がさめると列車はもう高知付近を走っておりました。
高知で15時40分発の阿波池田ゆき普通列車に乗り換えます。この列車、列車番号が3桁なので「もしや」と予想はしていたのですが、国鉄型キハによる編成で非常にうれしいです。ただ、列車番号が3桁でも1000形の列車もあるようで判断の難しいところです。
いきなり後免で特急待避のため11分停車。隣の島式ホームから白い気動車がガラガラで出発していくのが見えます。午前中に乗った土佐くろしお鉄道の経営する「ごめん・なはり線」で、今回訪問日程に組み入れるか迷ったのですが、硬券は安芸駅のD型入場券だけらしいので、カットしました。
それにしてもこの列車、通過待ちや行き違いのためしょちゅう停車しますが、まあこれも鈍行旅行の楽しさでもあります。土佐山田を過ぎてからは地形が険しくなり、山の中すぎて車窓を楽しむどころではなくなってきます。途中、スイッチバックを経験したりしているうちに天気が悪くなり、ざあざあ雨が降ってきました。どこかの駅でこの列車の写真を撮りたいのですが、この雨ではどうもしようがありません。18時前に大歩危到着。ここで後続の「南風22号」に乗り換えます。と、外へでると雨があがっているではありませんか!早速カメラをかばんから出し、いそいそと撮影します。あー、よかった。大歩危駅は本当に山の中といった雰囲気でなかなか素敵でした。
鈍行の後の特急はより速く感じられ、18時32分琴平着。今日はここで泊まりです。JTBのインターネット予約で「こんぴら温泉湯元八千代」というところへ宿をとってあり、駅から歩いていったのですが近辺にコンビニが見当たらずかなり歩きまわってようやくパン類を購入。そして宿へチェックイン。ビジネスプランなので部屋はそれ相応でした。が、風呂が天然温泉ということで、この値段で天然温泉がある宿に泊まれるのならよしとしましょう。

【3日目】

朝、チェックアウト時に「こんぴらさんへは行かれましたの?」と係員に尋ねられる。鉄道バカの私はいつも観光的要素はカットしてきたのですが、1時間もあれば充分に山頂まで行けるということで、荷物をフロントで預かってもらいいざ山頂へ。実はこんぴらさんへ来るのは2度目なのですが、前回は会社の旅行ということで宿に着くやいなや呑んだくれてしまいとても参拝できる状態ではなく、お参りせずじまいだったのでした。そのときの罪ほろぼしの機会がこんなに早く訪れるとはと思いながら、えっちらおっちらと階段を登るのですが日ごろの運動不足がたたりしんどい上に、真夏ということで非常に暑い。でも、まだ朝のうちなのでいいのでしょう。昼に登ったらえらいことだなあと思いながら、なんとか頂上へ。頂上からは一帯が見渡せ、非常に気持ちが良いです。讃岐富士が平野の真ん中にぽこっと盛り上がっているさまも見え眼福です。
琴平からは「南風」で帰路につきます。バースデイきっぷは児島までしか使えないので、児島で下車。JR四国の列車ともお別れです。このバースデイきっぷ、1万円でグリーン車乗り放題とは本当にすばらしいきっぷです。児島からはマリンライナーで岡山へ。岡山から山陽線で東へ向かうのですが、岡山~姫路間は非常に混み合う区間で18きっぷシーズンの関所です。早目にホームに並び、無事席をゲット。大阪経由で自宅へ戻りました。
今回の旅行では、長年心にひっかかっていた土佐くろしお鉄道を攻略でき良かったです。夏の旅行は、気持ちに開放感があって好きです。<おしまい>



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